目的
約0.3~10THzのテラヘルツ波は電波と光波の中間領域で、このコヒーレントな短パルス高強度光源は急
速に拡大するテラヘルツ波応用研究にブレークスルーを与える。10パルス以上のフェムト秒レーザーパルス列を光陰極に照射して、
フェムト秒の電子バンチ列を数十MV/m以上の高周波電場で加速する。これによっ
て、10パルス以上のフェムト秒電子ミクロバンチ列(Comb Beam)が一つの高周波加速電場に乗り、
7.5cm高周波空洞で5MeV以上に加速できる。Comb Beamが小型(30cm) ウィグラーを通過すると、超
放射がTHz領域で起きる。目的は、0.3~10THz可変、短パルス10MW以上、数十μJ/pulse放射の超
小型高輝度コヒーレントTHz光源研究開発とその応用研究である。
Peak power 10MW以上は従来のTHz光源の100倍程度であり、世界で開発が進められている先端加速器技
術を使った10mサイズの装置で生成されているTHz光源の強度に匹敵する。本光源によって、THz時間領域分光(THz-TDS)の
測定時間の大幅な短縮、測定精度の大幅な向上が可能になる。また、フェムト秒時間スケールの現象や多光子吸収による非線形科学現象を高精度で捉えることが可能になる。
THz光科学は、宇宙の誕生・生命科学から安全/安心技術・情報通信・産業応用などに本質的に関わるものであり、次世代の科学技術発展に極めて重要である。これらの応用実験は本開発装置を使って平成26年度から実施する。